任意整理② ~メリット、デメリットについて~
比較的容易に手続を進められるため、債務整理としてはポピュラーな任意整理ですが、メリットとデメリットの双方を確認しておきましょう。
メリット
債権者との交渉により、返済月額を調整する手続きです。原則として、手続き完了後の将来利息が減免されますので、債務の完済が早まります。裁判所を通さないため、収入や資産を証明する資料を準備する必要がなく、自己破産や個人再生と比べて負担が少ない分、手続きが簡単です。また、任意交渉ですので、手続の対象としたくない債権者は除外して、一部の債権者だけ整理するというようなことも可能です。
デメリット
信用情報機関に債務整理を行った旨の異動情報が登録され、借入が今後約5年間できなくなります。
複数の債権者へ返済されている方の多くは、返済によって手持ちの現金が不足するため、返したそばから借りてしまったり、不足分をカード払いにすることで一時的に難を逃れたりされますが、結局翌月の支払によってふたたび現金不足になってしまい、また借りざるを得なくなるなど、慢性的に返済と借入を繰り返すようになっています。任意整理は「毎月の返済を新たな借り入れに頼ることなく、確実に毎月支払って完済する」ための手続ですので、現状で返済を借り入れで賄うような自転車操業に陥っているご状況であれば、まず最初にご検討いただくべき手続となります。
追加での借り入れができなくなることについて、ご不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし「手持ちの現金では毎月の支払いが厳しい」といったご状況で新たな借り入れを増やしてしまうと、翌月からその借り入れの返済分が毎月のご返済額に上乗せされてしまう分、余計に厳しくなってしまいますので、完済がより遠のいてしまいます。結果としていつになっても終わらせることができない、ということになりかねません。
任意整理を行うことで、毎月の返済額が減少し、手元に現金が残るようになれば、新たに借入をする必要はなくなりますので、債務は着実に減っていき、完済することができるようになるでしょう。